アイヌ遺骨の研究利用をめぐって
コタンの会と北大開示文書研究会が2017年5月16日、北海道公立大学法人札幌医科大学・塚本泰司学長あてに質問書を提出したのに対し、同大学から7月7日付けの回答書が届きました。
医大総第223号(平成29年7月7日)
北海道公立大学法人 札幌医科大学 理事長・学長 塚本泰司(押印)
質問書に対する回答書
ご質問のありましたことについて、次のとおり回答いたします。
【質問事項】
1 2010年から始められたとするアイヌ遺骨研究が事実であるなら、その経緯をつまびらかにし、使用された遺骨が、どの場所から大学に持ち込まれたかをお伝えください。
<回答>
- ご質問の研究は、国立科学博物館 篠田謙一氏と山梨大学 安達登氏(以下「当事者」といいます。)が研究主体となりおこなわれたものであり、本学は、研究主体または共同研究のいずれにもなっておりません。
- なお、研究に使用されましたアイヌ遺骨のリストは、当事者から貴研究会あてに郵送していただくよう本学から依頼しております。
2 その研究が、発掘されたコタンの構成員あるいはその子孫の了解を得ているなら、の事実をお伝えください。
<回答>
- この研究は、発掘調査等による出土品に関して文化庁が定めた「出土品の取扱いに関する指針」などに則り、取り扱われたものと承知しております。
3 コタンの構成員あるいはその子孫の了解を得ずに行われたのであれば、研究倫理に悖るのみならず、アイヌの伝統的な宗教的精神を無視した死者への冒涜ともいわねばならぬ行為であります。貴大学の率直な見解をお聞かせください。
<回答>
- 上記2の回答と同様です。
4 私たちはすべての収蔵遺骨の一刻も早い地元コタンへの返還・帰還が実現されるべきと考えますが、貴大学の見解をお聞かせください。
<回答>
- 本学としましては、現在、国において地域への返還等に係る返還プロセスの道筋やあり方が検討されていることを踏まえ、指針等が示された際には、定められた手続き等に則り、対応してまいりたいと考えておりますので、特段のご理解とご協力をたまわりますようお願い申し上げます。
以上は抜粋です。札幌医科大学からの回答書の全文はこちらをどうぞ。