大学留置アイヌ遺骨に関する開示文書

小川隆吉さんの開示請求に基づき、北海道大学が2008年に開示した文書(全36文書)

まとめ・北大開示文書研究会

名称をクリックするとPDFファイル(開示文書をデジタル複写したもの)が開きます。

番号 名称(開示決定通知書による) 資料作成者 資料作成年 数量 内容(北大開示文書研究会による) 開示決定日
1 アイヌ人骨台帳 記載なし 記載なし A4判38枚 表計算ソフトによる表データのプリントアウトとみられる。地方ごとに1件ずつ「発掘地」「番号」「年代」「性別」などの項目を設けてリスト化。件数は合計1128。別資料「アイヌ民族人体骨発掘台帳(写)」をデジタル入力し直したもの? ただし不一致点あり(ページ欠落など)。 2/29/08
2 管理カード 記載なし 記載なし A4判155枚 手書き罫線入りカードを接写撮影したもの。カードの実サイズ不明。「手袋」「シナ サラネプ」「墓標」といった品名に、通し番号とおもわれる数字(3ケタ)が付され、「樺太」「上川」といった地名(採集地?)が記載されている。 6/17/08
3 (昭和7年、昭和8年)北海道帝国大学年鑑 A4判6枚 6/17/08
4 復命書編冊 A4判8枚 6/17/08
5 物品監守證書 A4判168枚 6/17/08
6 札幌農学校所属博物館採集日記 A4判11枚 6/17/08
7 副葬品の数量と所在(発掘時に収集されたもの) 医学部事務長 2/24/81 B4判1枚 「北海道大学洋罫紙1号」に横書き、手書き。「副葬品の数量と所在(発掘時に収集されたもの)別紙の通り」とある。別資料「アイヌ副葬品」を指している? 「部落13体事件」「九大平光教授」「血液採取」「北方文化研究施設元教授」に言及。「部落」は「落部」の間違いか。欄外に「56.2.24(火)医・田中事務長 岩城事務長補佐持参」のメモ書きがある。 7/29/08
8 アイヌ副葬品 記載なし 記載なし B5判1枚 ルーズリーフ?に手書き、横書き。八雲、落部、長万部、浦幌で、刀剣、タシロ、マレップなど14種につき数を記録。4地区計「765点」とある。別資料「副葬品の数量と所在(発掘時に収集されたもの)」のいう「別紙」にあたる? ただし筆跡は異なる。 7/29/08
9 北海道大学原議書「(特定団体代表者)よりの書簡について」 北海道大学 12/16/80 B5判2枚 北海道大学原議書定型書類。1980年12月1日、海馬沢氏の書簡が届いてから、医学部事務長に調査確認を依頼したことなどの経緯が記載されている。開示文書では(特定団体代表者)部分は墨塗られ非開示。 7/29/08
10 1980.11.27学長宛文書(特定団体代表者より) (海馬沢博氏)開示文書では墨塗られ非開示 12/27/80 B5判5枚 縦書き、手書き。差出人住所氏名と、北海道大学関係者の実名部分は墨塗られ非開示。「北大の教授として…収集したものは個人の物になるのかどうか」「児玉教授は…勝手にアイヌ民族の墓を掘り起こし、人骨(一,五〇〇体)を持ち去った事実は許されぬ問題」などと記述。 7/29/08
11 北海道大学原議書「(特定団体代表者)よりの督促書簡について」 北海道大学 12/23/80 B5判2枚 北海道大学原議書定型書類。(特定団体代表者)部分は墨塗り。 7/29/08
12 1980.12.12学長宛文書(特定団体代表者より) (海馬沢博氏)開示文書では墨塗られ非開示 12/12/80 B5判2枚 開示文書では(特定団体代表者)部分は墨塗られ非開示。コクヨ便せんに縦書き、手書き。「未だ回答がないのは…あまりにも誠意のない仕打ち」などと記述。 7/29/08
13 北海道大学原議書「(特定団体代表者)よりの書簡に対する返書について」 北海道大学 12/25/80 B5判2枚 開示文書では(特定団体代表者)部分は墨塗られ非開示。「現時点におけるとりあえずの返書である」と記述。 7/29/08
14 S55.12.25「海大第3165号」特定団体代表者宛文書(学長名) 北海道大学長 今村成和 12/25/80 B4判1枚 北海道大学タイプライター用紙(3号)にタイプ印刷。宛名と、大学関係者と見られる人物の氏名は墨塗られて非開示。「児玉元教授が故人になられたという事情もあり調査の結果が出るまで今暫く時日を要する」「現在**が所蔵している民族資料は、故**が私費によつて購入した物であると聞き及んでおりますので、大学の管理下にある物品ではない」なとと記述。 7/29/08
15 北海道大学原議書「(特定団体代表者)よりの書簡に対する返書について」 北海道大学 1/21/82 B5判2枚 開示文書では(特定団体代表者)部分は墨塗られ非開示。返書投函日についてやりとりあり。 7/29/08
16 1981.12.21学長宛文書(特定団体代表者より) (海馬沢博氏)開示文書では墨塗られ非開示 12/21/81 B5判5枚 コクヨ便せんに縦書き、手書き。差出人住所氏名は墨塗られ非開示。「何を研究するためにアイヌ民族の人体骨を一,五〇〇体も必要としたのか」など5項目について質問。 7/29/08
17 1982.1.10学長宛文書(特定団体代表者より) (海馬沢博氏)開示文書では墨塗られ非開示 1/10/82 B4判2枚 差出人関係の個人名など墨塗られ非開示。横罫線リポート用紙を横にして縦書き、手書き。「当時の学者の悪徳が浮き彫りにされて参りました」「先にあげた私に関係する四遺体は早急に返還していただきたい」などと記述。 7/29/08
18 S57.1.21特定団体代表者宛文書(学長名) 北海道大学学長 有江幹男 1/21/82 B4判1枚 宛名部分は墨塗られ非開示。北海道大学タイプライター用紙(3号)にタイプ印刷。「故児玉教授の専門的研究領域に係る問題であり…学長といえども個々の研究者の研究内容には関与できない面がある」「調査の結果について、おつて医学部長からご連絡いたします」などと記述。 7/29/08
19 S57.2.3特定団体代表者宛(医学部長名) 北海道大学医学部長 三浦祐晶 2/3/82 B4判1枚 宛名部分は墨塗られ非開示。北海道大学医学部のレターヘッドつき用紙にタイプ印刷。「当時の関係者から事情を聴取し、また、記録関係を詳細に調査しましたが、特段に非違な点は認められませんでした」「ご遺体返還については貴意に沿い得ない」「いわゆる児玉コレクションと称せられるものについては、本学部の管理下にある物品ではない」などと記述。 7/29/08
20 1982.2.8医学部長宛文書(特定団体代表者より) (海馬沢博氏)開示文書では墨塗られ非開示 2/8/82 B4判2枚 差出人住所氏名は墨塗られ非開示。罫つき用紙に横書き、手書き。「関係者の職氏名とその聴取内容を明らかに」「記録の写しと調査内容をお知らせ下さい」など11項目の「疑問点」を列記。「今回の解答は全不満」などともある。 7/29/08
21 営繕工事要求書 医学部 7/7/83 B4判5枚 表題は「医学部標本保存庫新営工事」。「要求理由」欄には、「本学部には、アイヌの人類学的、医学的研究に供するため、貴重な人体骨標本が約1,400体あるが、現在解剖学講座の研究室、骨格計測室、皮革解剖研究室及び東(北)棟2階学生実習室の四カ所に分散して保管されていたために、管理に苦慮しており、(略)標本保存庫の新営を要求するものである。」とある。続く4ページにわたり図面。現在この施設は「アイヌ納骨堂」と称されている。 7/29/08
22 北海道大学総合博物館収蔵アイヌ関係資料 北海道大学総合博物館 記載なし A4判4枚 表計算ソフトによる表データのプリントアウト。1件ずつ「北博紙箱No.」「旧コンテナラベル」「人骨No.」などの項目を立てて整理。合計50件。 7/29/08
23 「八雲町アイヌ玉」一覧 記載なし 2008.5.21. A4判1枚 エクセルによる表データのプリントアウト。「小箱の一つの底に「八雲アイヌ玉 54例 606個 男2例女52例」の記載 開封時の画像と共にファイルかする」と記述。右下隅に「アイヌ玉 一覧.xls2008/5/21」と記載。 7/29/08
24 北大総合博物館収蔵アイヌ関係資料(医学部より調査のため移動した資料)07-15NO.6八雲アイヌ玉(画像) 記載なし 記載なし A4判1枚 箱の内部の「アイヌ玉」を撮影した写真。 7/29/08
25 ラベル・荷札・メモ類 記載なし 記載なし A4判52枚、A3判4枚 ラベル、木箱などを撮影した写真。 7/29/08
26 アイヌ民族人体骨発掘台帳(写) 医学部解剖学第二講座 記載なし 32枚 横書き、手書き。地方ごとに1件ずつ「発掘地」「番号」「年代」「性別」などの項目を設けてリスト化。件数は合計1041人。別資料「アイヌ人骨台帳」の原本? ただし不一致点あり。 9/4/08
27 アイヌ民族人体骨発掘数 記載なし 記載なし 横書き、手書き。「北海道関係」「千島関係」「樺太関係」ごとに「頭蓋(骨)数」を記載。合計964。冒頭に「別紙」と記載。別資料「アイヌ民族人体骨発掘数一覧」と同じ筆跡? 9/4/08
28 アイヌ人体骨発掘に関する調 9/4/08
29 アイヌ民族人体骨発掘数一覧 記載なし 記載なし 5枚 横書き、手書き。別資料「アイヌ民族人体骨発掘数」と同じ筆跡? 八雲、奥津内、森など、地名別に「頭蓋(骨)」数などを集計。合計数は別資料「アイヌ民族人体骨発掘数」と一致しており、同資料の内訳と見られる。 9/4/08
30 アイヌ民族人骨発掘・研究・保存等に関する一覧 北海道大学医学部 記載なし B4判1枚 北海道大学医学部レターヘッドつき用紙に横書き、手書き。八雲、浦幌など9カ所(とその他)の地域ごとに「発掘年月日」「体数」「埋葬年代」などを記載。合計体数は726体。 9/4/08
31 北海道帝国大学医学部解剖学教室研究報告 記載なし 記載なし B5判8枚 横書き、手書き。別資料「アイヌ民族人体骨発掘数」と同じ筆跡?「北海道帝国大学医学部解剖学教室研究報告第1輯 昭和11年11月.1936」から「第10輯 昭和17年11月.1942」まで27編、「北大解剖研究報告第12号 昭和30年9月 1955」から「第157号 昭和35年2月 1960」まで35編の論文タイトルと著者の一覧。 9/4/08
32 S57.6.2特定団体代表者宛文書(医学部事務長名) 北海道大学医学部事務長 田中昭一 6/2/82 B5判2枚 相手名は墨塗られ非開示。横書き、タイプ印刷。「人体骨の保管状況は…学術研究上の目的以外には非公開」「慰霊祭実施の件については…国ないし国立学校は法律上いかなる宗教活動をすることも禁じられており…実施は困難」などと記述。 9/4/08
33 S57.6.8「北ウ第25号」学長宛文書「北海道大学におけるアイヌに係わる問題について」 北海道ウタリ協会理事長 野村義一 6/8/82 B4判1枚 横書き、手書き。「北海道大学自身で…誠意ある一連の措置を将来にわたってもとられたい」「霊骨について…返却するの措置をとられたい」などと記述。 9/4/08
34 北海道大学原議書「北海道ウタリ協会理事長野村義一氏からの依頼文書について」 北海道大学 6/21/82 B5判2枚 北海道大学原議書定型書類。1982年6月9日にウタリ協会野村氏(墨塗り部分あり)の訪問を受け、やりとりした報告。「面談(内容については別紙の通り)」とあるが、「別紙」は開示されていない。 9/4/08
35 医学部事務長宛文書(特定団体代表者より) (海馬沢博氏)開示文書では墨塗られ非開示 6/16/82 B5判びんせん3枚と封筒 開示文書では(特定団体代表者)部分は墨塗られ非開示。びんせんに縦書き、手書き。「人の遺体を勝手に集収し慰霊祭も許さぬと言ふ事は絶対に許されません。」などとある。 9/4/08
36 第一解剖移管 記載なし 記載なし A4判2枚 表計算ソフトによる表データのプリントアウト。体裁は「1 アイヌ人骨台帳」と近似。計59件について「発掘」時のデータを記載。 3/13/12